藤樹木医・塚本こなみ先生の藤手入法研修会
         と雨中で藤棚実技指導を受講しました。

主催・羽島市観光協会 
場所・ 竹鼻別院・東美濃会館

時・
H28.06.19 am10:00~pm3:30
今から10年前のH18(2006).3.12に藤の樹木医・塚本こなみ先生をお迎えして、第一回の藤の枝剪定と施肥・土壌改良
についての講義と実技指導をうけました。今回は二回目ですが、30名近くの方々が受講しました。




羽島市観光課が今回の企画をし、羽島市観光協会と竹鼻別院の藤守る会の会員が受講しました。

羽島市観光協会長・吉田 登氏挨拶。


10年ぶりの塚本こなみ先生。


塚本こなみ先生が丹精込めて育てられた1m余の藤の花。別院の藤を少しでも近づけたい・・・




藤の葉は11枚、花房の付け根に来年の花芽が付いていること、花が咲いた後、種に栄養をつけるため
5枝葉をつけ、光合成で種を育てることなど基礎から教えていただきました。



三大栄養素のチッソ・リン酸・カリの内、チッソが多いと、枝ばかり伸びて、花は少なくなる・・・
藤は『水』が少ないと、花を咲かせない。夏場の水は十分に与える事・・・など理路整然と教え
ていただきました。


花房の後は、15cm~20cm の「ナタマメ」の様なマメをつけます。豆が付くと、藤は子孫を
残すため、いっぱい栄養を供給するから、藤は弱るので、全部取る。


葉の付け根の花枝芽。この3cmほどが今年の花枝の伸長。来年はここから花が咲く。


藤には、つるが右巻き(上から見て時計回り)と左巻きの二種類がある。
右巻きの藤の標準和名は「フジ」または「ノダフジ」
左巻きの藤の標準和名は「ヤマフジ」または「ノフジ」。別院の藤は「ノダフジ」と教えていただきました。

藤は「つる性の落葉木本類」。木ではないので年輪が無く、枝が分生するごとに幹の横に
分生枝の幹を作るため『瘤瘤』の幹になることを教えていただきました。


蔓は木に巻きついて登り、直射日光の差す場所を好む、好日性植物である。
藤は自分が生き残るために、相手より陽光を一杯受けようと、どんどん上に伸びる。
最後は絞め殺す強い植物で、縄文時代より、建築用の縄=ロープとして使われてきた。
現在でも諏訪大社の御柱の大祭で使われている・・など。


熱心にメモを取る聴講生。質問も多く飛びました、一つ一つ明快に回答していただけました。


お話口調は優しいが、藤を愛してやまない塚本先生は、藤の育て方に妥協はなく、『駄目なものは駄目‼』
枝に、幹に、根に、手入の仕方をひとつひとつ教えていただきました。


枝は放射線状に広がるように揃え、平行の枝、逆走している枝は、迷わず切る。明快な枝揃えの方法を教わる。


枝揃えの原則は、地面に陽光が届くように、枝を密生させては駄目。枝同士も全体に陽光が葉っぱ
に行き渡るように、枝から花房が棚の下に下がるように、枝を剪定して揃える。花を大きくしたければ
手間はかかるが、5本の花枝の内、3本~2本になるように剪定する。


あいにくの雨でしたが、藤棚の下で、枝揃えから教えていただきました。まず無駄な枝を『切る‼』


まずは本幹の手入から。本幹から出てくる徒長枝は切る。切り口は消毒する。
脇枝は本幹を弱らせないために切る。本幹に陽光が当たるように、でも日焼
けしない程度に、上の枝揃えをする。


本幹の枝を生かすために、玄孫の枝は原則『切る‼』 あくまで本幹の枝生かすように切って、混み込み
の枝を払って、本幹の枝で、空いた空間を、張り直して埋めて行く。


まずは、やし後の脇枝を切断。この勇気が無かったが、お墨付き理論に
勇気を貰って、切りました。

本幹の枝を生かすために、玄孫の枝は原則『切る‼』但し、来年の事を考えて、本幹の枝で空いた
所を埋めれるか・・・を考えて切る。


混み込みになっている枝は、今年の春、目印をつけておきました。
この作業により、切って好い枝の目安はつけやすくなって居ました。


枝は密生しているため、慎重に「玄孫枝」から伸びてきている枝を切りました。


切り落とした枝で、早速『枝の剪定法』の実技指導。


塚本先生の指導で、残す枝と切る枝の選別法を実践で教えていただきました。


本幹の枝に並走する枝は切る。逆走してくる枝は切る。箏は明快ですが、いざ梯子に上ると混乱しますので二人
コンビで下からの指示で、間違えないように『切る‼』


切り手は交代して、切り方を教えていただきました。


外野から、『ああだ、こうだ』と指示が飛び、中々活発な枝切り講習でした。


最後に、質問タイム。活発な質問が飛び交い、楽しくもびしょ濡れの藤の研修会は終わりました。

藤樹木医・塚本こなみ先生の藤手入法研修会・・・おしまい