かぜの養生
〈1〉水分をとる 発熱すると水分が失われるため補う。鼻水やたんが水っぽくなり、鼻詰まりがらくになる。痰が切れやすくなり、咳は楽になる。
〈2〉ビタミンを多く含む食事をとる かぜウイルスと戦う感染防御(免疫)反応に必要。発熱時は特に、野菜や果物を。
〈3〉休養をとる エネルギーを感染防御に優先使用するため、睡眠を十分にとる。
〈4〉乾燥をさける(湿度60%弱に) 乾燥すると中耳炎や肺炎につながる2次感染が起こりやすくなる。
〈5〉細菌の侵入の防止 手洗い、うがい、マスクの活用。人ごみを避ける。
◎解熱
体温は高い方が、かぜのウイルスと戦う免疫は活動しやすいとされる。発熱は、体の防御反応だ。つらくて食事もとれないなどの問題がなければ、解熱を急ぐ必要はない。ただ、40度以上では、免疫反応も落ちるので、解熱が必要。
熱がある時に、氷のうで頭を冷やすと、楽になる感じがする。しかし熱を下げるには、首筋やわきなど太い動脈が通っているところを冷やした方が効果的。
◎鼻水、せき
鼻水やせきは、細菌やほこりの侵入を防ぎ、排出する、体を守るための反応。ただ、鼻が詰まって口呼吸になると細菌など2次感染のおそれが高まる。
また、眠れないような激しいせきは体力を消耗させる。背中をたたいたり、うつぶせ寝をするとたんを出しやすくなる。ただし、乳児のうつぶせ寝は、窒息死の危険があるので親が横につくようにする。
◎民間療法
ショウガをすって湯にいれるショウガ湯。漢方のかぜ薬、葛根湯(かっこんとう)も有効。温めた日本酒に溶き卵を入れる卵酒では、卵白に、消炎作用のある塩化リゾチームが含まれているので、有効。また、アルコールは血行をよくする。ネギやダイコンは抗菌作用のある成分を含む。
風呂で熱を下げる
体温より5度低いぬるめの風呂に15分ほど入ると、1.5度から2度程度の解熱効果がある。発汗作用が強い解熱剤のように、体内の水分が失われる心配がない。ただ、体が衰弱している時など、解熱のために無理に入るのは勧められない。