不破尺八道場・名古屋国風会三曲研究会
時・令和6年7月11日(木)pm1:30~5:30
所・岐阜県羽島市・不破尺八道場
吉沢検校は、古い時代の箏曲である「組歌」や、さらには雅楽家羽塚秋について楽・雅楽を学んで研究し、楽箏の調弦にヒントを得た新調弦を考案、「古今組」「新古今組」をはじめとして箏本位の曲を多く作曲されました。主な作品は、千鳥の曲(胡弓・箏本手、箏替手)春の曲(箏)夏の曲(箏)秋の曲(箏)冬の曲(箏)以上古今組、「千鳥の曲」は胡弓本曲ともされる。山桜(箏)新雪月花(箏)初瀬川(箏)唐衣(箏)以上新古今組。その他、蝉の曲(胡弓・箏) 胡弓本曲ともされる。花の縁(三絃・箏)玉くしげ(三絃・箏・胡弓)夏衣(三絃・箏)深山木(三絃・箏・胡弓)新山姥(歌詞・三絃・箏)捨扇(歌詞・三絃・箏・胡弓)など名曲の数々が現在も演奏されています。その伝統を継承して行こうとして、合奏練習をしています。なお、緒方一風さんは、今回が初めて国風会の曲での合奏練習となります。
1.残月・・・国風会としては珍しい、生田の曲。川瀬譜で吹けますが、矢張り難曲なので、段落の緩・急の違いがあり、
全体的に「さらり」と続いてゆく感じです。全体にテンポが速く、余り緩・急を付けないのが特徴でしょうか。
2.深山木・・・源氏物語にも出てくる題名ですが、吉澤検校の格調高い曲です。吉澤検校の曲としては、
最初に取り付き易い曲です。
3.山桜・・・吉澤検校が養老の滝の谷間の山桜を歌った曲と言われている・・・と聞きましたが、視覚障害者が
「桜を見に行くのか?」と疑問に思いました。三品先生からは、「心の目で見えたのではないか」と教えられました。
古典曲ですが、現代にも通じる斬新な、山桜を感じ取れる曲です。
4.新石橋・・・9分ほどの短い曲です。音源があり、音源から箏曲の楽譜をつくり、尺八とは、
一部違いましたが何とか合わせられるように、伝承されている尺八譜をこちらも書き直しました。
5.六段の調・・・レ-1六段に、ロ-1六段・本雲井六段(長崎六段)を小山桃葉先生が弾かれました。
この調子の違った六段の合奏は初めてです。
7.松の月・・・川瀬譜では「松陰の月」に名古屋国風会の小松検校の手付による「松の月」として残っている曲です。
8.千鳥の曲・・・・言わずと知れた吉澤検校の名曲です。国風会はいずれの曲も手事が早く、尺八の押しの手が
目いっぱいで、段落もさらりと流されてうかっとしておれません。
8.国風会との〆の曲は「千鳥の曲」で、気持ち良く三曲合奏研究会を終わりました。終われば5時間30分と
たっぷりと合奏練習が出来、多くの課題も見つかりました。次回は8月におさらいをすることになりました。
不破尺八道場・名古屋国風会三曲研究会・・・おしまい