アレルギー性鼻炎について  2005.2.27
◎アレルギー性鼻炎の原因

 

  I 型アレルギー反応を起こす抗原物質には、さまざまなものがあります。   花粉症のようにスギやヒノキ花粉など野外に存在するものもありますが、アレルギー性鼻炎の場合、最も多いのは屋内に存在するダニ、ハウスダスト(綿と毛糸クズ、畳クズなど)、かび(真菌)、ペットのフケなどです。
 とくにダニ(ヤケヒョウダニ・コナヒョウダニ)は25℃・湿度75%の環境下がベストの生育条件とされるため、一般に5月頃から増殖し、6〜9月にピークに達します。しかし、最近では暖房設備が普及したこともあり冬場でも油断はできません。また、カーペットや畳もハウスダスト中のダニにとっては好適な温床となります。
 かび(真菌)はじゅうたんや畳の下、壁、押し入れ、加湿器のなかなどに発生しやすく、また浴室など湿気の多い場所を好みます。
 犬や猫、小鳥などのペットは気道アレルギーの原因になりやすいため、ペット類のフケがアレルギー性鼻炎を引き起こすこともあります。

アレルギー性鼻炎と花粉症 特に、スギ花粉対策

 

今年はスギ花粉が大変多い年と言います。そこでスギ花粉対策。
@花粉に暴露(曝された)顔や手足をセッケンで洗いましょう。(兎に角、家や学校から外へ出たら洗顔・うがいをしましょう)マスクも有効です。(小まめに代えましょう)
A顔や手を拭いたタオルは小まめに洗濯ましょう。
B洗った肌着やシャツは外気に曝さないで、ドライ洗濯機か室内で乾かしましょう。
C髪の毛を「目元」まで伸ばさないで、左右に振り分けましょう。
D衣服は『肌理
(きめ)の細かい』ジャンパーやズボンにしましょう。ウールや起毛したシャツは花粉が静電気で集まってきてしまいます。
E外出着は玄関で脱いで、室内に持ち込まないようにしましたょう。
F室内には、エァークリーナーの付いた『空気清浄機』を取り付けましょう。
Gタバコを止めましょう。症状が悪化します。
Hベッドの枕は毎日代えましょう。頬が花粉で被れて、赤くなってしまいます。
I眼が痒くなったら、目薬を差す前に、洗顔して、花粉を取り除いてから点しましょう。
J髪の毛は帽子で包んで、花粉が付かないようにしましょう。

アレルギー性鼻炎治療
 
アレルギー性鼻炎の治療には「減感作療法」と「薬物療法」があります。また、どうしても鼻閉症状が改善しない場合は、「手術療法」が行われます。いずれの治療法であれ、室内からハウスダストやダニなどの抗原除去(環境整備)と回避が必要なことは言うまでもありません。
 減感作療法(特異的免疫療法)とは、原因となっている抗原物質の希釈液を皮膚に注射して抗体をつくり、アレルギー反応を抑制する治療法です。しかし、この治療は、低い濃度(10倍程度)からしだいに濃度を上げていく方法が必要なため、抗原抗体反応の抑制効果が得られるまでに4〜5か月かかります。また、完全な効果を得るためには少なくとも1年以上、ときには数年間の維持療法が必要です。したがって、この治療を受けるためには、長く地道な努力が必要です。
 一方の薬物療法は、おもに先に述べた化学物質の遊離を抑制したり、化学物質によって生じる不快な症状の改善や緩和を目的としています。また、使用される薬剤は症状の程度によって異なります。
むやみに、長期残留型のステロイドホルモンを注射しないで下さい。胃潰瘍や骨粗鬆症の原因となります。

 なお、アレルギー性鼻炎の発作を予防するためには、特定された抗原除去と回
避が大切です。たとえばハウスダストの場合、屋内の掃除の徹底や、床面の板・
リノリウム・ビニールタイル化、畳の陰干しや掃除機による表面の吸引などによる
ダニやホコリの発生を抑える。また花粉症の場合は、開花期の外出を控えたり、
マスクの着用などです。
 このような日常生活の工夫で、抗原曝露量はかなり抑えるこ
とができます。